十二月二十八日 (おまけ)

「横顔は正義」(1991.12.29発行)より



     このページの内容は「正義の横顔」を作った時のおまけ本「横顔は正義」に収録したものです。
      (元原稿は流石にもう手許に無く、本から撮った写真なので見辛かったらすみません)
     「十二月二十八日」のセルフパロディのようなものなので、本編をお読みでない方にはできれば
     まずそちらから先にお読みいただけますようお願い致します。







   5.十二月二十九日 Version2

「……馬鹿、お前がそんな顔をすることはない」
デストロンの名に結城が目を伏せるのに気づいて、風見は少し困ったように表情を和らげた。そのま
ま思い出したように視線を巡らせ、自分の上着がソファの背にかかっているのを見つける。
「結城、俺の上着取ってくれ」
結城はいぶかしげに風見とその上着とを見比べた。
「取ってくれ」
枕に頭を埋めたまま、風見は笑って繰り返した。
 不承不承荷物を置き、上着を取ってベッドの傍に戻る。無言で差し出しながら自分を見ようとはし
ない結城の目を見上げると、風見は毛布の内から手を伸ばした。
 そのまま上着の下をくぐらせ、素早く結城の右手首を掴む。
「……?」
「やれやれ、手間をかけさせる」
空いた方の手で少し苦労しながら上着を取ると、風見は満足げに首筋を伸ばした。
「……僕は帰る」
「帰ればいいだろう?」
意地悪く言い返す。
「右腕を俺のところに置いて帰れるならな」


     ☆





                               《完》




   


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