香港備忘録2004


2004/9/9〜2004/9/12に、香港へ行ってきました。1年10ヶ月ぶり、通算4回目になります。
4回も行ったんだしそろそろ、と思い、旅の思い出など書いてみました。
 …とはいえデジカメを持って行かなかったので現地写真は皆無、メモも残してないので内容もあやふやと、とても旅行記などとは呼べませんが、しばらくおつきあい下さい。

中秋節だったので、あちこちで月餅の広告を見かける。
これは中でも有名(らしい)な「竒華」の月餅の箱。
箱のサイズは9.5×9.5×4.5(cm)。1個入り。
開けたら箱一杯に大きな月餅が鎮座ましましていた。
中身の写真も撮れば良かった、と思ったのは食べてしまった後の事。
しっとりと重く、ナッツ類も大盛りで、とても食べでがあった…。

9/9
8:00にせいるさんとお友達(Wさん、Oさん、Yさん)と、成田空港で待ち合わせ。
 今回の香港旅行のメンバーは総勢5名。私以外はいずれも香港そして香港映画に精通し、その上に広東語も勉強されている頼もしい皆さんである。 そんな中に紛れてていいのだろうか自分。せめて足を引っ張らないようにする事だけは心掛けたいものである。
 なのでこの雑文「どこそこへ行った」「何をした」等、あたかも私がさくさく動いたかのようにも読めますが、基本的には「ので皆さんの後からついて行った」を心の中で付加してお読み下さい。 急に私に行動力が備わった訳ではありません。念のため。
10:00発キャセイパシフィックCX509便で香港へ。
キャセイパシフィックの機内食は旅行の楽しみのひとつである。 「おすすめメニュー」の「海老と野菜」御飯のメインディッシュが美味だった。食後のハーゲンダッツも幸せ。
 皆さんに倣って、読めもしないのに香港の新聞「明報」を貰って機内で流し見る。 芸能欄で「香取慎吾買豪宅等結婚」などの記事を眺めたりしている内に、機内映画が始まる。
 香港映画「絶世好賓」を選択。

香港明星(スター)は本当に仕事のえり好みをしないのだな、と時々思う。
 渋い役どころだったりするとぐっとくる劉青雲(ラウチンワン)がレゲエかつらをかぶって大真面目に街を闊歩したり、美貌のジジ・リョン(漢字が出ない…)が膝や肩に生きた大どぶねずみを平気で乗せていたりする。
ちなみにこの映画は「お金持ちの家に生まれてお金の有り難みを知らないお嬢さんの将来を案じた父親が、思いきって大芝居をうつ。 いきなり宿無し無一文の境遇に突き落とされて面くらいつつも、お嬢さんはいつしか地に足のついた生き方を獲得し、ついでに父親が雇った年上の『運転手(兼・仕掛人)』と恋に落ちちゃう」コメディー。 英語のタイトルは「Driving Miss Wealthy」…良く似た映画のタイトルを聞いたような気もするが、偶然だろう。多分。
 なお音声は広東語なので勿論全く解らないが、字幕が英語と中国語なので、英語で文脈を追いつつ、解らない単語は中国語字幕の漢字拾い読みで補完して大体の話を理解している(つもり)。 漢字の国の人に生まれて、いつも本当に助かっている。

東京−香港間は飛行機で約4時間。
香港と日本の時差は1時間。香港空港着は現地時間で13:20(日本時間で14:20)だった。
時節柄か、空港の至るところに小銃を持った兵隊さんが居てちょっとびっくり。 搭乗時のチェックが厳しくなったな、とは成田空港でも思ったものの流石に武器を携行した人はいなかった訳で、俄に世界情勢におぼつかなくも思いを巡らせたり。
 そして1年10ヶ月来ない間に、空港内に「許留山」がお店を出していて更にびっくり。
「許留山」は香港のあちこちにある「フルーツ系デザート&フレッシュジュース」のお店。 日本では「ジュース類よりはお茶」派な私をして「最低でも1日1許留山!」と断言させるお店である。香港に行かれた折には是非是非。
マンゴーとココナッツミルクのジュース(角切りマンゴーがトッピングされ、底にはぷるぷるとタピオカが沈んでいる。美味)を飲みつつエアポートエクスプレス(快速機馬)(香港空港と市内を結ぶ急行電車)乗り場へ。

 地震がない国というのは何のおそれもなく高層ビルを建てられていいなあ、と香港に来る度思う。
 山の中腹にも高台の斜面にも「窓の数で数えてもざっと三十階以上」のビルがにょきにょき建つのだ。
 そしてこの香港のビル群、高きも低きも至るところで年がら年中改修している。
街中でも3分歩いて、1回も工事現場にぶつからない事はまずないと言って良い。
 のだがそこは香港、工事中だろうと一区画たりとも閑散とする事はない。ビルの1階だけ改修していても2階以上は通常営業していたりする。 逆に2階以上が改装中で頭上に青シートが巡らされていても、1階は普通にお店が開いている。 そんな中を人々も頓着なくどんどん歩いていく。
 ちなみにこの工事現場、足場は例外なく竹製である。どんな高層ビルだろうが、竹で高々と足場が組み上げられている様は壮観。 歩いていると道端に「解体したばかり」とおぼしき竹があちこちに積まれていたりする。あれは再利用するのだろうか。
 …話がそれたが、そんな香港の海沿い高層ビル群を眺めながらのエアポートエクスプレスは早くて快適、更に九龍駅から主要な各ホテルを巡回する送迎バスも無料、という至れり尽くせり…なのだが、この送迎バスがもうちょっとまめに来てくれると有難い。 4時過ぎに尖沙咀(チムサアチョイ:街の名前。以下も同様)入り。

 今回のホテルは尖沙咀のキンバリーホテル。目の前にセブンイレブン、駅まで徒歩5分という好条件のホテル。部屋も小奇麗。
 チェックインして、まずは重慶大厦へ円→香港ドルの両替に向かう。
「重慶大厦」は尖沙咀にあるビル。空港や銀行で両替するよりレートが良く、手数料不要の両替屋が沢山ある。 但し古びてやや薄暗く、中にはインド系のおじさん達がたむろしている(そして食べ物屋からは美味しそうな香辛料の匂いが漂う。いつかあのスタンドで立ち食いできる日はくるだろうか…)ビルなので、人によっては入るのに少しためらいがあるかも。
ちなみに2004/9/9のレートは\100=7.081HK$だったので大体1HK$≒\14くらいか。ありがとう円高。
 そして近辺のDVD・VCD屋さんやHMVを探索する。
 日本では馴染みの薄いVCDだが、香港では手軽で安価なメディアとしてかなりのシェアを占めている。ものにもよるが、たいていはDVDの半額以下。 Macでは視聴するのにシェアウェアのソフトをインストールする必要があるが、Windowsでは見るのも簡単である由。
 ちなみに2年半前には「V3」のVCDを買った。買いのがしていた回もあって探してみたのだが、もはや店頭には影も形もなかった。ちょっとがっかり。 今は特撮ではどうやら「ウルトラマンA」と「劇場版仮面ライダーシリーズ」が絶賛リリース中らしい。後は「アギト」を良く見かけた。(放映中らしい)
 DVDも日本で買うよりずっと安い(勿論正規品)が、リージョンが3(日本は2)の製品が多いので注意が必要。 リージョンフリーの製品もかなりあったので、買うならこちらか。
 その後香港のオタクビルとして名高い「信和中心」へ。

香港には各地に「オタクビル」…つまり香港におけるオタクな同士が集まるビルが点在している。
 知っている方には「中野ブロードウェイ」を思い浮かべていただければ宜しいかと思われる。 漫画や玩具やアイドル写真やゲーム、その他雑多なジャンルを扱う小さなテナントがぎっしり入っている。あんな感じ。
「信和中心」の本屋で「仮面ライダーSPIRITS」の4巻〜6巻を入手。また別のお店で「無間道」(日本では「インファナル・アフェア」のタイトルで公開)の漫画版を購入するが、 何でもこれは全3巻のところまだ2巻までしか発行されておらず、3巻は10月発行との事。
果たして次に香港に来るまで店頭に残っているだろうか…。

 夕食は油麻地(ヤウマテイ)の「粗菜館」へ。
ピリ辛のスープ、海老の揚げ物等美味。指を油まみれにしつつ海老殻を剥いていたら、お店の人がお茶入りフィンガーボウルを持ってきてくれた。指をすすぐとするすると油が落ちる。
中華料理には欠かせない中国茶。飲んでばかりでは見えないその威力にちょっと感動する。
ところで後でガイドブックを見たらこのお店、「モツ料理が名物」と書いてあった。
今回、臓物系は頼まなかったのだが、そう言えばピリ辛スープに入っていたぷるぷるしこしこの食材の正体がわからず、Oさんがお店の人に尋ねたところ「魚の内臓」との事だった(でも全く癖がないので、それまでキクラゲか何かの親戚かと思っていた)。


9/10
 朝食はホテル近くのお店。朝のセットメニューが「お粥+(焼きそばor腸粉(生春巻に似ているが、もっともっちりした食材)」で満腹。
せいるさんと裕華(香港各地にあるデパート。気軽なお土産物を探すのが楽しい)で、とても手は出せないが見ているだけで目の保養になる中国高級家具を眺める。
で、己の失態は小さい字で書く訳ですが、「せめて足は引っ張るまい」という前日の誓い空しくここでいきなり具合が悪くなって、せいるさんにホテルまで連れ帰っていただきました…。
本当にすみません>せいるさん。
でも何が原因だったのかは不明。少し休んだら回復しましたが、貴重な1時間余が惜しまれます。腑甲斐無いぞ自分。
 再び街へ出て旺角(モンコック)、銅鑼湾(コーズウェイベイ)、湾仔(ワンチャイ)とオタクビルを回る。
 ちなみに香港に於ける移動手段は地下鉄やバスやトラム(市電)等あるが、言葉が解らない私でも一人で乗れる地下鉄は特に香港往来の強い味方である。
昼間でも深夜でも3分と間を空けずに到着するし、乗り換えも(しつこいようだが、私ですら)分りやすい。日本のsuicaカードに似た「八達通(オクトパス)」があれば乗り降りもスムースだ。
 ところで香港は0時過ぎても延々賑やかな宵っ張りの街なのだが、逆にどうも朝は遅いようである。
 そんな中でも、オタク系のお店は更に店開きが遅い。12時でも開いてないのは普通、それどころか3時過ぎに行ってもまだ鍵がかかっている、なんてお店もざらである。
一体君らに商売に懸ける情熱はあるのか、と問いただしたい気もしてくるのだが、「お客さんも昼日中より仕事の終わった夜の方が多いだろうし、もしかするとお店の人も日中は別の仕事をしてるのかもしれませんね」というせいるさんの卓見に納得したり。
今度来る時は5時過ぎを狙ってこないと…とガラスの向こうの薄暗い店々を恨めしく見やる。
 そして前日の「信和中心」では「二年近く来てなかった割にはあんまり変わってないじゃん」と思ったのだが、回遊している内にその様変わりが目につき始める。 かつて「仮面ライダーSPIRITS」の3巻を入手した懐かしの本屋が携帯電話ショップになっていたのにはかなりショックだった。
 そして全体的な印象としては、もっと頑張れ香港漫画。
 街角の雑誌スタンドで長期連載のペーパーバックが定期発行されているのは心強い限りとはいえ、どこの本屋に行っても日本漫画の翻訳版が大勢を占める現状は、やはり憂うべき事と思われる。
 玩具についても然りで、店を埋め尽くしているのは見慣れた玩具ばかり。更に「あっこんな玩具が!」と知らない玩具を手にとったらそれまで日本製だった時の空しさを、君よ知るや南の国。 「日本に帰ったら探さなくちゃ…」と思うとちょっと切なくもあり。
 トイざラスでも日本製かアメリカ製玩具ばかりが目につく。
 でもそんな中、旺角に出来た新しいお人形系のお店も見つけたり、「香港漫画の登場人物が操る剣の模型」(香港ではどうやらイベントの限定品等として一般的な漫画関連グッズらしい。 しかもこれが1/6やSDサイズに適するのでお人形好きにも見逃せない)を箱一杯取り扱っている宝の山のような本屋を新たに発見したり。
実り多い午後だった。

「香港漫画の登場人物が操る剣の模型」使用例。
これは剣だが、他にも三節棍があったり鎌(?)があったり弓矢があったりする。
更に「どうやって使うんだろう…」と悩むようなデザインの面白い武器も多数。

夕食は湾仔の「生記海鮮飯店」。店の入り口に生け簀のある海鮮料理店である。蟹料理のオーダーに「これから調理する蟹・現物」をテーブルまで持ってきて見せてくれた。
 そしてこの旅行中、オーダーの際にも広東語を操る皆さんは果敢に色々質問される。
 香港は基本的に英語ができれば何とかなる(ちなみに私のように英語もできなくても、日本語だけですらどうにかなる場合もある)が、やはり広東語ができるとお店の人とも会話できてうらやましい限りである。
またこの時、お店の人は会話の中で親切に微妙な発音の違いなども皆さんにレクチャーしてくれていたらしいのだが、横で地蔵と化しつつ聞いている私には勿論どこがどう違うのかさっぱり聞き分けられなかった。 十数種類にも分類される複雑な母音を聞き分けるなど、日本語の母音五種類でカタカナ英語をもごもご喋っている(かつ通じなくて聞き返される)私には、もはや神業としか思われない。
 夕食後、湾仔のフェリー乗場から尖沙咀までスターフェリーで移動。相変わらず夜景が美しい。
 そして映画「千機変2」を見に九龍塘(カオルーントン)へ。
香港では映画は全席指定なので、チケットを買えれば必ず座って見られる。(立ち見ができない、というのも良かれ悪しかれでもあろうが) 指定席だが価格は50〜60HK$(劇場によって多少違うらしい。しかし円安の時でも日本円にして1000円以下である)。しかも今回行った映画館はどこも新しくて綺麗だった。難点は冷房が効き過ぎている事くらいか。
これは香港の女性アイドルユニット「ツインズ」の主演映画。前作「千機変」は「ツインズ・エフェクト」のタイトルで日本でも公開されている。 が、話としては「ツインズが主役」という以外は全くの別物。「黒侠」「黒侠2」(これも「ブラック・マスク」「ブラック・マスク2」のタイトルで日本公開済)といい、 タイトルに通し番号がついていても全く無関係な話なのは、香港的には無問題なのだろうか?
話としては「いくら架空の世界とはいえ、その世界観はちょっと無謀じゃないか?」と言おうか「悪役の女王の行動動機が解るようでいまいち解らない…」と言おうか。 勿論私の理解力不足の可能性もかなり高いのだが。
でも相変わらずツインズちゃん達はばりばり動き、アイドルにあるまじきとんでもないポーズにもひるまない。その意気や良し。
 ところでこの「千機変2」、メインキャストの1人がジャッキー・チェンの息子だった由。 見た後「一目ですぐ解った」という人と「そう言われても何だか釈然としない…」人に分かれる。ちなみに私は後者。 しかし「そう言えば『特別出演』の割にジャッキー・チェンの出番が多かったような」などと今更思い当たったり。
もっとも彼はあれだけの大スターであるにもかかわらず、香港でも様々な映画に実にフットワーク軽く登場しているようなので、それとは関係ないのかもしれないが。


9/11
 香港に来たら、足を運ばない訳には行かないお粥と甘味の有名店「糖朝」で朝食。皮蛋(ピータン)粥と1年10ヶ月ぶりの再会。相変わらず堪えられない美味で幸せにむせぶ。 デザートを頼みそうになる誘惑に駆られつつ、二時間後には昼食予定なので軽めに済ませる。
ちなみにこの「糖朝」は近年東京・青山にも支店を出したそうです。ただ量的にはかなり上品(婉曲表現)らしいんですが…。
 腹ごなしも兼ねて尖沙咀界隈を回遊。「許留山」で西瓜ジュース(生の西瓜そのもの。美味)を飲み、「裕華」で1/6お人形にジャストサイズの飾り棚を買う。
 そして二時間後、「潮洲城酒樓」で点心。 今回の旅行は「行き帰りの飛行機とホテルとこの日の飲茶」がパックになっていたのだが、この「潮洲城酒樓」の点心がまた美味しい…。
2003年香港料理大賞受賞作の「蜜餞焼鴨胸(焼いた燻製鴨にマンゴーを挟んで甘めのソースをかけたもの。蒸しパンに挟んで食べる)」まで出て満腹。 御飯を食べ切れなかったのが残念。そしてもう夜は食べなくても無問題。
 その後、せいるさんとまたもや旺角へ。
昨日寄った本屋の兄さんが「明日また新しいのが入荷するから」と教えてくれたのだ、とせいるさん。
おかしい…一緒に居たはずなのに、私には全然そんな記憶がないぞ(笑)
 前日同様、玩具の武器が山盛りになった箱の前に陣取り中を漁る。
 長々と腰を据えていると、やがてお店の兄さんが「ちょっと出かける」とメモを見せて(言うまでもないながら、翻訳されたのはせいるさん)出ていってしまい、 なかなか帰ってこない。
今日も映画を見るので、そろそろ尖沙咀へ戻らなくてはならないのだが、このまま兄さんが戻ってこなかったらこの両手一杯の玩具の購入は断念しなくてはならないのか? 明日来るのは時間的に無理なので、これがラストチャンスなのだ。 「早く帰ってきて…」とどきどきしながら待っていたのだが、そこへ帰ってきた兄さんは何と新しい箱を抱えていた。
 …その箱の中には更に新たな玩具の武器の山が。
 もう帰らなくてはならないのではなかったか?
と自問しつつもまだ未練がましく箱の中を漁って、買い物を追加している己の強欲さが身にしみる。
 そんなこんなで、いよいよ時間は迫ってくる。
 人込みをかき分けて駅に向かい、地下鉄に乗って尖沙咀へ戻り、映画館へ。
 土曜日という事もあり、映画館は大変な混雑ぶりだったが、どうにか皆さんとも合流できて一安心。

 今日の映画は「六壯士」。
 それぞれの理由で自殺しようとしていた5人の男達(と、その中の1人の上司を合わせるので6人)が、仕事やら家庭やら各々の問題を自分なりに解決して明日への希望を持ったり、なあなあにして解決しなかったりする話。 まるで説明になってなくて申し訳ないが、実は細かいところが良く解っていないのである。できれば是非日本でも公開して欲しいと思う。
そしてせいるさんが「鄭伊健(イーキン・チェン(「風雲〜ストームライダース」などでもお馴染み))はどんな映画でもイーキン」と呟かれたが、けだし至言である。でも浮いてるとか、そういう事ではない。 どんな映画でもその世界に入っているのだが、でも見る側には「あ、イーキン」と何故かくっきり目につくのだ。不思議な俳優さんである。
ちなみにこの方、まごうかたなき「端整な二枚目」なのだが、VCD屋に行ったら「ロビン(from60年代バットマン)のコスプレとしか思えないコスチュームをまとった鄭伊健」「パンチもどきの髪型にダサ眼鏡に派手な紫のジャケット、とどめに寄り目の鄭伊健のアップ」といったジャケットの映画VCDにお目にかかった。 本当に香港明星は仕事のえり好みをしないらしい。余計なおせっかいだが、でも少しは仕事を選んだほうが(以下略)

映画館から海に向かい、梳士巴利道を海沿いに歩く。夜ともなれば対岸に広がる香港百万ドルの夜景が美しい観光スポットだが、以前はなかった「香港明星の手形敷石」ロードができていた。 「黒侠」のかっこいい二次創作小説が書けるよう李連杰(ジェット・リー)の手形に手を重ねる。
しかしそんな美しい道も、ところどころまだ改装中で、適当に渡された板の上をべこべこ歩く事になったりするのもまた香港らしい。 更に海沿いの道を行き、香港體育館へ。
いよいよ今回の旅行のメインイベント・劉徳華(アンディ・ラウ)コンサートである。

 劉徳華(アンディ・ラウ)は出演映画多数、日本にもファンの多い香港明星。勿論場内は超満員。
そんな中、チケットを見ながら座った席はなんとステージまで10メートル未満、という超・特等席。
チケットを手配して下さったWさんには本当に大感謝である。
 ところで行きの成田空港でも「劉徳華コンサートツアー」御一行様を見かけたので、きっとこの場内には日本人も多いのだろうな、と思っていたら隣の女性が日本人・筋金入りの香港映画界ファンだった。 彼女の旅行は翌日の張國栄(レスリー・チャン)のメモリアルイベント参加も兼ねている由。愛である。
 そして歓声と熱気渦巻く場内、中央ステージ(客席とステージの配置は両国・国技館をイメージしていただけると良いかと。方形のすりばち型の底が、ステージ)から、劉徳華登場!
 確かに髪は随分短いが、それもまた可愛いではないか(こりゃ)。うむうむ。
 きらびやかなタキシード&シルクハットで歌う。
 「トロイ」もかくやな純白のギリシア風衣装(膝上まで生足)で登場し、白いライオンのぬいぐるみ(人入り)に寄り添って歌う。
 1950年代風の粋なスタイルで歌う。
 真赤な衣装(孔雀の羽の頭飾りつき)で歌う。
 妙に初々しく見える軍服風衣装で歌う。
 新作映画(「マッスル・モンク」。公開中)で着たマッチョな肉襦袢を着込んで歌う…。
 勿論舞台演出にも隙がない。舞台全体を包んで滔々と波打つ布、舞い散る紙吹雪、舞台上で高々と燃える炎、白ライオンに巨大コブラのぬいぐるみ、男女ともに美しい肢体のダンサーの皆さん。
 そしてこのコンサート期間中、「舞台に上がり込んできた熱烈な男性ファンに抱きつかれる(行きに機内で見た新聞に記事が載っていた)」のみならず「つい前日、花道を歩いているところを熱烈な女性ファンに掴まれ引き倒される(こちらは帰りの機内で見た新聞記事で報じられていた)」といったアクシデントがあったにもかかわらず、 舞台から四方にのびる花道を歩いてファンと触れあう趣向は変更なし。何だかもう笑顔が直視できないほど眩しい。流石は香港明星。
かっこいいぞ劉徳華!
香港式ペンライトを振り続け、あっという間の3時間余だった…。

帰りにホテル近くの「許留山」で「マンゴーとアロエとココナッツミルクのジュース」を頼もうとしたらアロエが品切れで、やむなくマンゴーとココナッツミルクのジュースに変更。 まあ美味しいからいいし。
と言うか、もう0時過ぎてるし。
 しかし明日は帰国。午前中の限りある時間でラストスパートをかけなくてはならないので、できる限り荷物を詰めておかなくては、と深夜にスーツケースを整理していたので、寝たのは4時近かった。


9/12
 再び「糖朝」で朝食。皮蛋粥は毎日食べても多分飽きないような気がしつつ、他のお粥(名前忘れた…今度行った時にまた頼みたいのに)もとても美味。 デザートは言うまでもなく美味。今回頼んだ「黒ゴマお汁粉蓮の実入り」には何の悔いもないが、今回は豆腐花(おぼろ豆腐に近い、水分たっぷりのお豆腐。属性:デザート)の入る余地のなかった事が悔やまれる。
また来ずにはおくものか香港!と心に誓いつつ、午前中を使って尖沙咀のあちこちを駆け巡る。
 行きの機内で見た「絶世好賓」のVCDを入手。
劉徳華のコンサートパンフ(に相当すると思うのだが、何故かコンサート会場では売られておらず、香港の街のあちこちにある雑誌スタンドで売られているのしか見かけなかった)も入手。 コンサートの興奮を呼び覚まされる両面ポスター付きなのだが、片面がこれ「マッチョな肉襦袢衣装」で晴れやかに歌っている写真なのは何故なのか。 そんなにマッチョ肉襦袢が気に入ったのか、劉徳華…。
 ついでに劉徳華のコンサートで入場者全員にミニボトルをくれた「廣生堂」のオーデコロンも入手。
 その上「許留山」でまた西瓜ジュースを頼んだり。流石に腰を落ち着けている時間はなく、飲みながら移動。
 本来は12:00チェックアウトのところ、せいるさんがフロントに「13:00チェックアウト」で交渉して下さったので余裕。
 …の筈が、12:45にホテルに戻るとWさんもOさんもYさんももうとっくに荷物をまとめられチェックアウトしているではないか(驚愕)。 慌てて買い物を荷物に詰め、どうにかチェックアウト。

 またもやさっぱり来ないエアポートエクスプレス九龍駅へのバスを待つ。本当にこれさえすぐ来てくれれば何の文句もないのだが。 しかし九龍駅には航空会社のカウンターがあって(空港まで行かなくても)先に荷物を預けられるし席も取れる、という素晴らしい事実が明らかとなる。
勿論言うまでもないが、気づいたのは私ではない。
ビバ!エアポートエクスプレス!
座席も取り、重いスーツケースも預けて(そして何を間違ったか、航空会社のカウンターにイミグレーションカードを出そうとしたバカが…誰かはもう書くまでもない) 身軽にエアポートエクスプレスで空港へ向かう。
 空港では搭乗時刻までの間を利用して、また「許留山」へ。
 思えば今回の旅行ではまだ「亀ゼリー」を食べていない。
ここで食べずに帰られようか。 でも亀ゼリーが今回の「許留山」締めの思い出になってしまうのもどうかと思うので、一緒に生メロンジュースを頼んだ辺が我ながら惰弱である。
「亀ゼリー」とは読んで字の如く亀エキスのゼリー。色は底なし沼色。 味は土の香漂う薬草風味。体毒を排出し、美肌効果がある。但しあくまでも漢方なので、食べ過ぎ注意らしい。 私は漢方や薬草茶が好きなので「許留山」の亀ゼリーは大丈夫なんですが、駄目な人は駄目かも。その上、林檎位の大きさの入れ物一杯に入ってくるので、正直飽きます。 でも入れ物の蓋の把手が亀になっていてちょっと可愛かったり。欲しいぞあの入れ物。
亀ゼリー特有の滋味もフルーツの甘みも、香港の味である。名残惜しい。
 更に時間ぎりぎりまで空港内のお店をうろうろして、家にはまだ沢山ストックがあるにもかかわらず「百合油」を買ったりする。 ところで以前は書店に台湾や香港の玩具雑誌も置かれていたのに、今回見つけられたのは「HobbyJapan」のみ。
いい加減くどいようだが、もっと頑張れ香港オリジナル・オタク文化。
 そして再見香港。

今回は初の3泊4日だったのに、結局は駆け足になったなあ、などと今更のように思う。
 天候がいま一つだったので行かなかったビクトリアピーク。 面白いものパチもの掘り出し物の出店が並ぶ女人街も、海で水遊びができてなおかつそこまでの道に観光客向けだが安くて品物が溢れている店がぎちぎちに軒を連ねる赤柱(スタンレー)も、今回はとても行ってる時間がなかったし、などと未練は尽きない。
絶対また来るぞ香港、と心中呟きつつ、16:00発キャセイパシフィックCX508便に搭乗。
 窓際の席から遠く小さくなっていく香港に別れを惜しみ、またも美味だった機内食(書き忘れていたが、行きも帰りもおすすめメニューのプロデュースは香港のペニンシェラホテル内レストラン。帰りはビーフを選択)を賞味する。
ちなみに帰りも映画を見ようとしたが、窓からの光が画面に反射して字幕が追いきれなくなり、かつ断続的に睡魔に襲われたため途中で断念。
多分香港黒社会ものの映画だったと思われる。しかしどうでもいい事ながら、それにつけても香港映画にはホモセクシュアルが題材にとられる事が確かに多い。 この映画でも「ある実力者が亡くなり、部下達はその隠し子を跡取りに迎えようとする。しかし探し出された彼には同性愛者疑惑が」な話だった(で、実際本当だった…のか?この辺すらあやふや)。
道徳的には日本より厳しくてもいい筈なのに何故こうも目につくのか、と今更のように首を傾げつつ。
 途中気流の乱れでいくらか揺れたものの、ほぼ定刻通り21:20頃に成田到着。
 こちらも以前よりは厳しくなった、と聞いていたものの、ブランドの紙袋も提げていない(それ以前に風体がゴージャスとは程遠い)せいか、相変わらずあっさりと税関を通過。 いや、別に何も開けられて困るようなものはなかったし。本当に。 漫画と玩具と月餅が出てくるくらいで。
 …それはそれで見られたら困るものかもしれないが。

もう成田エクスプレスの運行は終わっており、快速のJR成田線に乗る。なんとこれが終電。
そしてそれぞれの乗り換え駅で、皆さんともお別れ。
Wさん、Oさん、Yさんそして今回もお世話になりっぱなしだったせいるさん、この4日間、本当に楽しかったです。


…ああ、それにつけても次はいつ行けるだろう。

どこかで見たようなキャラクターが表紙だが(笑)香港の児童向け雑誌。
「コロコロコミック」か「コミックボンボン」か、という趣きだが、中はむしろ子供向けの情報誌に近い感じ。 A5判P244で、内170ページがフルカラー。オンラインゲームのスターターキットらしいCD-ROM付。
玩具ショーのレポートとか、新発売の玩具や新番組やゲームの記事などが載っている。
しかしそんな中に「日本語講座」やパズルやクイズ、中秋節にちなんで「月」特集(ついでに「月餅」も特集)、 読者のイラストページや「兎の飼い方」ページまであってなかなかバラエティに富んでいる。
眺めているだけでも面白い。